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我が抱夢園の薔薇 4 − いよいよ真打登場です − 7組 荒木伸春 |
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前回紹介するのを忘れたジュリアと青龍の解説と、ゲートに絡んだピエール ド ロ ンサールとデッキにたたずむ「夢を選別するゾウ(像)」を紹介します。 ジュリアという品種はものの本によるとレアな品種だそうです。確かにこれまでに訪 れた薔薇園でも見かけたことはありません。金色の花弁はなかなか見ごたえがありますが病気や雨にはからきし弱い品種です。 ![]() 次はいよいよ抱夢園の真打の出番です。 青龍はご覧のように青色の薔薇です。 ![]() Blue Roseとは英語では「不可能」を意味する言葉だそうです。古来より薔薇の育種家達は青い薔薇を作ることに大変な熱意を注ぎましたがことごとく失敗に終わっていたそうです。そして、薔薇には青色の色素を作る遺伝子がないために交配という手段では青色の薔薇を作ることは不可能といわれていたそうです。ところが、2002年、日本の育種家、小林森治さんという人が苦節36年の末、とうとう交配によってこの「青龍」を作り出したそうです。私が抱夢園を作り始めてから半年ほど経ったときにこの話を知りました。そして大感激をしたのです。皆さん、このレポートの第一回目をもう一度見てください。 そこに抱夢園と刻んだ板の反対側に「不可諦」と刻んだ板を掲げたと書いてあるはずです。そうです、先の小林さんの逸話はまさに「不可諦」を実践した結果、この薔薇園の主題にぴったりだと思いませんか? そういうわけで早速インターネットで青龍の苗を取り寄せて植えました。もちろんこの薔薇園のシンボルにするつもりですので庭の真ん中に植えました。 そのような来歴の薔薇ですが、成長が遅く、いかにも弱々しい株ですので他の株より開花も遅く、先週ヤット開花しました。 どういうわけか、この株が開花する日は決まって雨です。そして先輩の品種たちがこの雨によって沢山の花を散らしてしまった中でひとり生き生きとした青い花弁の上で雨滴を滑らせている様子はひ弱ではあるけれどなかなかのしたたかさを垣間見る気がします。 この雨にもビクともしないのがピエール ド ロンサールです。 花弁は肉厚で、花茎 も大きく、生育もおおせいです。3年目の春ですが高さ3mのゲートを横に1mほど這 うほどに成長しました。 ![]() 「夢を選別するゾウ(像)」は山口県のホームセンターで見つけて神戸まで運びました。この名前は私が勝手につけたのですが、抱夢園で抱いた夢を肩に担いだ壺の中に蓄えますが、邪悪な夢(特に私のような凡人は邪悪な夢が多い)は左手に持った壺を通して地面へ流しだす像です。面白いでしょう。私が自戒のために作った物語にすぎませんが。 ![]() 次回は、抱夢園の新顔を紹介しますね。 |
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