我が抱夢園の薔薇 6

− プリザーブドローズ −

7組 荒木伸春

 さて、いよいよ今回が最後の投稿になります。

 抱夢園の薔薇も一番花はすでに散ってしまい、四季咲きの品種がわずかに開花しているだけの景色となってしまいました。 花の美しさをいつまでも味わいたいと思うのは私だけではないようで、世の中にはプリザーブドフラワーという枯れない不思議な花が開発されています。そこで私も挑戦しました。手順は極めて簡単です。2種類の薬品に漬けるだけ(現在は1種類で済ませるものも出てきているようですが)です。最初はその薬剤を買い求めましたが高い! そこで、いろいろと調べてみますと成分の主体は低級アルコールのようでしたので、次からは薬局でメタノール等を買い込んで自作しました。2種類の薬剤と書きましたが初めの薬剤は脱水・脱色の工程、次が保存剤への置換と着色の工程です。順番にこれらの液に浸漬するだけの単純作業ですが、実際にやってみるとこれがなかなか奥が深そうです。第一に花の形を崩さずに仕上げることさえ難しいのです。ましてや、きれいな色を出すなどまだまだ初心者には10年とは言いませんが2,3年の修業が必要なように感じています。写真は処理を終わってひと月ほど経ったものですが、まだ枯れるようなことはありません。文献によると半年くらいは枯れずに保存できるそうです。初心者の私が作ったものはそんなに長く持たないでしょうが。




 話は少し変わりますが、私はある文芸同人誌に「抱夢園」という題の稚拙な散文を連載しているのですが、先日その読者から「抱夢園は荒木さんの王国ですね・・・・なぜか少年の姿が見えます」という感想をいただきました。そう言われてはじめて気がついたのですが、私にとってこの抱夢園は、子供のころ夢中になった「秘密基地」の延長線上にあるようです。 そう考えると自分でも妙に納得できました。

 一八会ホームページという公共のばで極めて私的な趣味に長々とお付き合いいただきありがとうございました。
 9月の一八会でお会いできるのを楽しみにしております。