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儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇


著者 : ケント・ギルバート
講談社+α新書
講談社 東京 2017
定価 840円(税別)










 率直に言ってこの本はヘイトスピーチに近い。

 日本人との考え方の違いを感情的なまでに強調し、隣国との融和をどう築けばよいかは述べていない。日韓、日中友好を目指すものとしては悲しい本だ。

 著者は「あとがき」の中で「「儒教の呪い」に支配された国々からのいわれなき誹謗中傷に臆することなく、もっと自信と誇りを持って下さい。混沌とする世界情勢の中で、今後の日本はアジア随一の先進超大国としての自覚を持ち、その役割を堂々と果たしてほしいと考えています」と書いている。

 既に001で紹介した小倉も、儒教・朱子学の問題点を厳しく指摘しているが、それを知った上で日韓友好の方策を提起している。

 この著者は、「儒教の呪い」に陥っていると論断し、その主張は「誹謗中傷」に過ぎない、相手のいうことは無視して日本の思うようにやれといっているのだ。

 それでいいのか、ケント・ギルバートさん。あなたは牧師らしいが、そうだとすればあなたの宗教はあなたが呪う「儒教」に匹敵する危険な宗教だと思う。

 帯には「日本人と彼らは全くの別物です!」とある。
 こんなことを強調してどんな前進があるのだろうか。
 けなして終わりでは友好は築けない。


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