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日曜俳句入門  


著者 : 吉竹 純
岩波新書 1803
岩波書店 東京 2019
定価 820円 + 税










 この本が出たての頃、某新聞の書評欄に紹介されていたのを見てすぐさま購入した(2019年12月)。私は俳句を独学中であった。俳句結社に参加するでもなく、俳句教室に通うでもなく、俳句入門書を数冊買って読み、NHK教育テレビの「NHK俳句」見ている程度だった。そして、著者は私の小学校時代の同級生だ。買わずにはおれなかった。

 さて、その内容だが帯に書かれているように著者が実践している「こんな近くに投句の楽しさ」を優しい口調で紹介している。読み進むうちに「楽しさ」よりは著者の徹底した投句姿勢、その背後にある豊富な読書量と資料を駆使した解説に驚かされる。私が読んだ俳句入門書では、こんなに広く著名な俳人を紹介し、かつ資料名を挙げて解説しているものはなかった。そして明示的には語られていないが、著者の社会を見る目も私は感じた。その意味でこの本は初心者に俳句の作り方を指南するものではなく、むしろ句作者の作句姿勢を問うているように思う。「日曜俳句」という俳論である。
 俳論といえば固く感じるが、実際の内容は優しい口調、エビデンスに基づき、かつ時としてユーモアのある解説、どこを読んでも納得がいく。

目次は次のようになっている。

はじめに
第1章 日曜俳句って、そもそも何なの?
第2章 日曜俳句デビュー
第3章 日曜俳句の続け方
第4章 明日へ動く日曜俳句
あとがき


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